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産学連携コンソーシアムによるデータ駆動型高分子材料研究を変革する 高分子物性データ基盤の創出

2022ポスター 髙橋

本研究は、全原子分子動力学(MD)シミュレーションに基づく高分子物性計算を全自動化するソフトウェア RadonPyを用いて、データ駆動型高分子材料研究(高分子インフォマティクス)の学術基盤となる体系的な データベースを創出する。データ駆動型研究の最も重要な資源はデータである。しかしながら、現時点にお いてデータ駆動型研究に資する高分子物性データベースは存在しない(表1)。その原因として、次の3点が 考えられる。 ① 他の材料系に比べて、高分子材料の実験やシミュレーションはコストが非常に高い。 ② 研究者の興味や設計変数(試料の作製方法,プロセスパラメータなど)が多様であるため、コミュニティ 全体でコモンデータを創出しようという動きが起きにくい。 ③ 基礎研究と応用研究の垣根が低いため、競合相手に対する情報秘匿の意識が高くなり、データを公開 するインセンティブが研究者に働きにくい。 このような背景から高分子材料のオープンデータベースの開発はほとんど進んでいない。本研究では、 複数の大学・企業からなるコンソーシアムを形成し、統計数理研究所ものづくりデータ科学研究センターの 研究者が開発した高分子物性自動計算手法と我が国のフラグシップスパコン「富岳」を融合し、世界最大 の高分子物性データベースを創出する。

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